蛋白質の結晶を作る

食塩水を皿に入れて放っておくと水が蒸発してNaClの結晶が析出します。これと同じように、精製した蛋白質の水溶液を少しずつ蒸発させると結晶ができることがあります。私の生物学科での卒業研究はこの「蛋白質の結晶化」でした。

なぜ蛋白質の結晶を作るかというと、蛋白質の立体構造をX線結晶構造解析で調べるためです。X線を蛋白質の結晶に当てると、X線が結晶中の電子で散乱されて回折像が得られます。この回折像から蛋白質の電子密度図が得られます。この電子密度図と蛋白質のアミノ酸配列から蛋白質の立体構造を求めていきます。

蛋白質の精製には何段階もの工程があり相当な手間暇がかかるのですが、蛋白質の結晶は本当に美しく、学問的な成果だけでなくその美しさに触れることができるのもまた、この研究の魅力でした。

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