白熱電球の材料
白熱電球はガラスと金属から作られています。外側の丸いガラス部分(ガラスバルブ)には、まぶしくないように内面に光を拡散するシリカ粒子が静電塗装されます[1]。静電塗装に際しては高圧発生装置と繋がったバーナーが用いられ、バーナーでガラスバルブを加熱して導電性を与えるとともにガラスをプラスに帯電させます。そこにマイナスに帯電させたシリカ粒子を吹き付けて付着させます[2]。
電球のフィラメントには最も融点の高い金属タングステンが使われます(融点3380℃)。タングステンは原料粉末を焼結させてから加工しているそうです[3]。またフィラメントと口金を結ぶ「導入線」のうち、ガラスとの封着部には「ジュメット線」が使われています[4]。ジュメット線はガラスと熱膨張率が近い金属と導電性の良い金属を組み合わせて作られています[5]。
ガラスバルブには排気管が付いており、排気管から空気を抜いてアルゴンガス等を封入し、最後にセメントで口金が固定されて完成となります[2]。
【参考文献】
[1]「THE MAKING (93)電球ができるまで」科学技術振興機構(2001)
[2] 伊東隆「静電塗装技術のランプへの応用」照明学会誌 70(5)(1986)
[3]「モノができる仕組み事典」成美堂出版(2008)
[4] 石﨑有義「白熱電球の技術の系統化調査」国立科学博物館 北九州産業技術保存継承センター(2011)
[5]「製品紹介 ジュメット線」住電ファインコンダクタ株式会社