はんだと共晶組成

はんだはスズと鉛の合金であり、はんだ付けにより他の金属と合金を作り接着する役目はスズが担っています[1]。スズの融点は232℃、鉛の融点は327.5℃ですが、両者を混ぜ合わせることにより融点が下がり、スズ62%鉛38%の組成で融点が183℃と最も低くなります[2]。この時の組成を共晶組成、温度183℃を共晶温度といいます。共晶組成で溶けているはんだを冷やすと、183℃より冷えた瞬間に2種類の固相(α相とβ相)が析出します[3]。

スズと鉛の組成が共晶組成からずれると、183℃で溶け始めてから完全に溶けるまでは固体(α相またはβ相)と液体が混ざった状態(半溶融状態)になるそうです[4]。私が使っているgootのはんだSD-60は組成がスズ60%鉛40%で融点が183~190℃と融点に若干の幅があります。スズと鉛の組成が共晶組成からずれるほど融点の幅も大きくなるようです[5]。

【参考文献】
[1]「理化学辞典 第5版」岩波書店(1998)
[2]「材料の地図 「状態図」ってなに?」東北大学 工学部 材料科学総合学科
[3] 亀川厚則「材料科学B 講義資料」室蘭工業大学
[4]「白光 はんだ付け講座 第8話」白光株式会社
[5]「製品仕様」太洋電機産業株式会社

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